1970年代は、時計産業をはじめ数多くの分野において自由な創造性が花開いた時代でした。これまでにない審美性の潮流とコンパクトで高精度なクォーツムーブメントの開発が進んだ時期であり、新たな女性顧客の心を掴むべく、時計のデザインにも流行のファッションがいち早く取り入れられました。ヴァシュロン・コンスタンタンは当時最先端の時計製造技術を駆使し、最新のファッションにマッチさせる極めて控えめな直径12.40mm、厚さ2.90mmのキャリバー1430を発表しました。小さなムーブメントとロザンジュ型ケースは、従来の伝統的な時計製造と一線を画する魅力的な提案となり、イエローゴールド製ブレスレットを備えたこの貴重なモデルは、ダイヤモンドがセッティングされたベゼルとタイガーアイのモザイクによる文字盤がひときわ目をひきます。巻き上げ用のリュウズは、美しい調和がとれた外観を損なわぬようムーブメントの裏側に配されています。
19世紀の初頭、ルネサンス期にきわめて重要な地位を占めた芸術や文学が、再び脚光を浴びました。特に時計製造においては、葉が茂った花のモチーフや曲線といった装飾が好んで用いられるようになりました。この1825年に発表されたケース径44mmの懐中時計の裏蓋には、この時代を象徴する繊細な彫金が施されています。イエローゴールド製の土台にピンクゴールドと、エレクトラムとして知られる金と銀の合金グリーンゴールドが埋め込まれ、花模様にはパウンス装飾技法が用いられています。鏨(のみ)で素材を加工し立体感を強調した後ポリッシュ仕上げをすることで生みだされるマットな背景とのコントラストが、模様にさらなる深みを与えます。
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