まだまだ数の少ない、女性用の機械式時計。理由は、多くの女性のライフスタイルに「機械式」時計が合いにくいためだ。しかしいくつかのメーカーは、十分使える機械式の“エンジン”を作るようになった。今年ブルガリが加えたのは、女性用新型自動巻きの「BVS100 レディ ソロテンポ」。ひょっとしてこれは多くの女性に、機械式時計への扉を開くきっかけとなるかもしれない。
ブライトリングコピー女性用の腕時計に機械式が少ない理由はいくつもある。まずは主ゼンマイがほどけるとすぐ止まってしまうこと。そしてそのたびにリュウズを引っ張り出して時間を合わせる手間のかかること。加えてクォーツに比べて複雑なため、価格も安くないこと。純粋な実用品として考えると、機械式ではくクォーツに軍配が上がるのは間違いない。
現在、多くの機械式時計は、ローター(半円状の重り)が回って主ゼンマイを巻き上げる自動巻きムーブメントを採用する。巻き上げるには、腕を振ってローターを回す必要があるが、デスクワーク中心のユーザーなどが使うと、ローターが十分回らず巻き上げが不足しがちだ。最近の自動巻きでは起こりにくくなったが、ちゃんと腕を振らないと巻き上がらないのは今なお自動巻きの弱点だ。加えてサイズが小さく、ローターを大きく重くできない女性用の自動巻きは、主ゼンマイの巻き上げがいっそう不足したのである。
と考えれば、各メーカーが女性用自動巻きの開発におよび腰だったのは当然だろう。仮に女性用の機械式時計を作るにしても、男性用モデルの見た目を変えて、お茶を濁すのがせいぜいだったのである。筆者が見るに、かつて女性用の自動巻きムーブメントで実用できたのは、ロレックスやブレゲ、ブランパンやハリー・ウィンストン程度しかなかったのではないか。しかし時代は変わった。今やオメガやシャネル、そしてショパールなども、小径にもかかわらず、よく巻き上がる自動巻きムーブメントを採用するようになったのである。そして今年は、そこにブルガリも加わった。今やブルガリは自社製ムーブメントを作るマニュファクチュールとなったが、まさか難易度の高い女性用自動巻きを作るとは、誰が想像しただろう?
Cal.BVS100 レディ ソロテンポの直径は19mm、厚さは3.9mmと小さいが、性能も仕上げも大きな自動巻きムーブメントに引けを取らない。このムーブメントを搭載する新作はすべて裏蓋の一部がサファイアクリスタル製のトランスパレントバック。7枚の蛇のウロコのモチーフがあしらわれたローターなどのディテールを観賞できる。
今年、ブルガリが発表した「BVS100 レディ ソロテンポ」は、広く使われることを前提とした全く新しい自動巻きムーブメントだ。デザイン統括のファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニは「ムーブメントの設計にあたっては、まず(主ゼンマイを納める)香箱のサイズから考えた」と説明する。理由は、できるだけ長い主ゼンマイでパワーリザーブを伸ばすため。直径19mm、厚さ3.9mmという小さなサイズにもかかわらず、パワーリザーブはなんと約50時間もある。普通、このサイズの女性用ムーブメントはせいぜい40時間程度のパワーリザーブしか持てない。しかしブルガリは、週末放っておいても止まらないだけの長い駆動時間を与えたのである。
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